三重県では、平成23年4月1日に施行した「三重県子ども条例」に基づき、子どもひとりひとりが大切にされ
自分らしくいきいきと育つことができる地域社会づくりに取り組んでいます。
子どもが幸せに自立するために、大人は子どもとどのように接すればよいか
「子どもの心のコーチング」の著者として有名な菅原裕子さんを招いた公開講座が開催されました。
菅原さんの第一声は「メモを取らないで」
・・・というのは、「メモを取らなければ忘れてしまうものは、たいした内容じゃない。心に残ったものだけ持ち帰って下さい」
・・・とのこと。
参加希望者は180名にものぼり、会場いっぱいの公開講座になりました。
前半は子どもとの関わり方のお話 |
親として…伝えていくこと
「無条件に愛されている」という安心感が、子どもの心を強くします 子どもが駄々をこねた時は、親はイライラしても自分を責めず 子どもの気持ちに目を向けて、できない理由を丁寧に子どもに伝えましょう。 |
子どもが、自分の行動が結果にどう影響するのかを知り、 どうすれば良い結果になるのかを学ぶことが大切です 子どもの成長に合わせて、子どものできることを増やしていきましょう。 子どもに任せたら、うまくできなくても必要以上に、手や口を出さないようにしましょう。 |
子どもにとって「人の役に立つ喜び」を知ることは、 社会で生きていく強い支えとなります 親はお手伝いをやってくれた喜びを子どもに伝えましょう。 「いい子」という褒め方や物でご褒美をあげるのではなく、「ありがとう」「すごく嬉しい」「とても助かった」という言葉で気持ちを伝えましょう。 子どもの中で「誰かの役に立つことができた」「人を喜ばせることができる」という自信を育てることができます。 「あなたのしたことが、私にどんな影響を与えたか」を伝えることは、考える力を伸ばします。 繰り返し感謝を受けた子どもは、「自分も人の役に立てる。どうすれば人の役に立てるだろう」と喜びとともに考え、行動するようになります。 |
後半はコミュニケーションの実践 |
さあ、やってみましょう!
〔例題〕 もしも子どもが習い始めたピアノを「やめたい」と言った時、あなたはなんと言いますか?
実践では2人1組で、親と子どもの役になりながら、考えてみました。
様々なセリフがどんどん出ましたので、一部をご紹介します。
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これに対して、子ども役から出たセリフは・・・
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参加者の方は「子ども役」になって、初めて「子どもの気持ち」が分かったそうです。
親の言葉が、子どもの心にこれだけ 影響していると知って驚いた。 |
知らず知らずのうちに、 子どもの心の声を消していたと思う。 |
子どもの心を理解するのを忘れて いました。子どもの気持ちを一緒に なって、共感し、考えることが 大事だとわかりました。 |
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子どもの心のシグナルを 受けとめることの大切さに 気づきました。 |
自分の子どもとの接し方を もう一度、見直していきたい。 |
改めて子どもにまかせることの大切さを 確認できました。 本当の自立をさせたいと思います。 |
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受け止めることで子どもの心が 安らぐことを実感しました。 |
子どもの「育つ力」を 信じようと思います。 |
子どもに伝わるように いっぱい愛したいと思います。 |
取材後記 菅原裕子さんのお人柄でしょうか、会場は笑いあふれるリラックス空間。子育てもこんなふうに…と伝わってきました。 身近にある具体的な子育ての話から始まり、参加者全員で親子を想定したコミュニケーションの実践法も学びました。 男性の参加が思っていた以上に多かったのは、イクメン(育児を楽しく積極的に率先する男性)が多くなったのもあるでしょう。 講座が進むにつれ「なるほど〜」の連続!! 改めて自分の振り返りができたようです。 「手をかけ過ぎない」「クチを出し過ぎない」を忘れずに、子どもを管理するのではなく認め、肩の力を抜いて子育てをしながら親も一緒に成長していきたいと思いました。 |
〔講師紹介〕
菅原 裕子 さん (三重県桑名市出身) | ●NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事 |
「企業の人育て」と「自分自身の子育て」という2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、 子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム「ハートフルコミュニケーション」を開発。 全国の小学校やPTA、地方自治体の講演会やワークショップで紹介し好評を得る。 主な著書に「子どもの心のコーチング」「子どもの『やる気』のコーチング」「子どもが夢をかなえるために親としてできることー夢は子どもを大きく伸ばす!」など多数。 ホームページ:http://www.heartful-com.org/ |
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